只辞引

なく[泣く][自]1.悲しみなどの感情の高まりや肉体的苦痛のために,声を上げたり涙を流したりする。2.あることが原因となって,泣くような辛い体験をする。涙を流し心を揺さぶられる感動を味わう。3.やむなく引き受ける。4.名前と実際の隔たりが大きくて,その名で唱えるのがはばかられる。

なみだ [涙・泪・涕]1.涙腺から分泌され,眼球をうるおしている透明な液体。悲しみ・感激・苦痛などを感じたときや,外部からの刺激を受けたときに多量に分泌される。2.人間らしい感情。人情。
[涙を呑む]悲しさやくやしさをこらえる。
[涙を振るう]私情や同情を捨てる。

ながす [流す][動][他]1.液体が低い方へ移動するようにする。2.自分の体内から汗・涙・血などをしたたらせる。3.水や湯で付着した汚れを洗い落とす。洗い流す。4.水流によって物を移動させる。「水に流す(=なかったことにする)」 5.洪水が建造物などを押し流す。6.《「情に流される」などの形で》理性を失って感情の支配するがままになる。7.空中にただよわせる。8.電気や音声などが伝わるようにする。また,うわさや情報が広く伝わるようにする。9.悪い影響をおよぼす。10.流罪(るざい)にする。11.ある物事を途中でとりやめにする。12流産させる。13.質物の所有権を失う。14時品物をひそかに売る。
[自]1.芸人やタクシーが客を求めてあちこち移動する。2.ある動作を力まないで楽に行う。
《動詞の連用形に付いて》ある動作を身を入れないで気楽に行う。また,相手の働きかけをまともに受けとめないでわきにそらす。「聞き流す」

はら [腹]1.動物の胸部から尾部までの下側の部分。人間では胸から腰までの間の,前面の部分。胃腸などの内臓が収まっているところ。2.消化器。特に,胃腸。3.母親の胎内。また,その胎内から生まれたこと。4.物の中ほどの広い部分。また,ふくらんだ部分。5.心の中。また,心の中で考えていること。「腹を割って(=心の内をさらけ出して)話す」 6.胆力。度胸。また,度量。7.感情。気持ち。
[痛くもない腹を探られる]やましいところがないのに,あれこれ疑われる。

すな [砂]岩石が風化してできた細かい粒。すなご。いさご。
[砂を噛むよう]無味乾燥でつまらないさま。

おと [音]1.物の振動が空気などを伝わって,聴覚で感じられるもの。2.伝えられた名声。評判。

こえ [声]1.人や動物が発声器官を使って出す音。また,虫が羽などをこすり合わせて発する音。2.物が振動しておこる音。3.意見。考え。4.《「…の声を聞く」の形で》季節や年月などの気配を感じる。

てんき [天気]1.(晴れ・曇り・雨・雪などの)空のようす。空もよう。2.晴れていること。晴天。3.人の機嫌。

しぬ [死ぬ][自]1.生物(特に,動物)が生命をなくする。2.そのものの持つ,本来的な生命感や躍動感が失われている。生き生きしていない。3.そのものの持つ,本来的な機能が有効に働かなくなる。

ひかり [光]1.人の視神経を刺激して明るさを感じさせるもの。太陽・星・電灯などから発する電磁波の一種で,真空中を一秒間に約30万キロメートルの速さで伝わる。2.輝き。光沢。3.人の心を明るくさせるもの。希望。光明。4.人に畏敬の念を起こさせる勢い。威光。

くらい [暗い][形]1.光が乏しくて物がよく見えないさま。2.色彩が黒みを帯びているさま。色がくすんでいるさま。3.陰気であるさま。気持ちが晴れ晴れしないさま。4.先行きに希望がもてないさま。期待できないさま。5.不幸・不運を感じさせるさま。6.その方面・分野の物事をよく知らないさま。

あかるい [明るい][形]1.あたりに光があふれて物がよく見える。2.そのものの発する光の量が十分である。3.澄んだ鮮やかな色をしている。4.比較的高めの声や音が軽やかでいきいきしている。5.性格・態度や作品の与える印象などが陽気で快活である。6.隠しごとがなく,公明正大である。7.未来に期待がもてる状態である。8.そのことについて精通している。

ぺてん[]うそをついて人をだますこと。また,その手段。

うそ [嘘]1.事実でないことを本当であるかのようにだまして言うことば。また,事実でないこと。2.事実だと信じられないことを強調していう。3.間違っていること。あやまり。4.適切・適当でないことを表す。

だます [騙す・欺す・瞞す][他]1.うそを言って,本当でないことを本当だと思わせる。2.他のことに気分を紛らせておとなしくさせる。3.なだめすかす。古い機械や傷んだ体などを,様子を見ながら何とか使いこなしていく。

ひゆ [比喩・譬喩]ある物事を説明するのに他の類似した物事を借りて表現すること。

いんゆ [隠喩]「ようだ」「ごとし」などの比喩であることを示す語を用いず,直接その言葉を言ってたとえる修辞法。暗喩。メタファー。

こわい [怖い・恐い][形]1.危害を加えられそうな感じで,身がすくむ思いがする。恐ろしい。2.不満足な結果や成り行きになりそうで,不安な気持ちである。

こわい [強い][形]1.水分が少なくて堅いさま。2.容易に意見を変えないさま。強情だ。

こわす [壊す・毀す][他]1.力を加えて,物の形を損なわせる。破壊する。2.器機などの機能を損なう。3.体またはその部分の機能を悪くする。4.ある作用が物の形や機能を損なう。破壊する。5.物事のまとまった状態を損なう。つぶす。6.より小額の貨幣にかえる。両替する。くずす。

こわね [声音]話すときの声の調子・響き。こわいろ。
こわいろ [声色]話すときの声の調子。また,声の質。こわね。役者・芸能人・有名人などのせりふ回しや声をまねること。また,その芸。
こわけ [小分け][名・他サ変]細かくいくつかに分けること。また,その分けた部分。


あざむく [欺く][他]1.真実めかして他人をだます。2.自分の心に反する言動をする。偽る。裏切る。3.物事が予想などに反した結果となる。裏切る。4.〜と区別がつかないほどである。〜と見まがう。〜にも負けない。

さっかく [錯覚][名・他サ変]1.心理学で,客観的事実をまちがって知覚すること。2.事実とは違うのに,本当にそうであると思い込むこと。思い違い。勘違い。

きもう[欺罔][ぎもう][きぼう](名)1.あざむくこと。2.詐欺的行為で相手を錯覚に陥らせること。

きぼう [希望][他サ変]こうあってほしいとのぞみ願うこと。また,その願い。将来に対する明るい見通し。

ひびく [響く][自]1.音があたりに伝わって広がる。鳴り渡る。反響する。2.音の振動が伝わって,物が振動したり共鳴音を発したりする。3.音が耳に伝わって,ある特徴をもった音として聞こえてくる。4.衝撃などが振動となって伝わる。「打てば響く(=すばやい)反応が返ってくる」 5.世間に広く伝わる。響き渡る。とどろく。6.悪い影響を与える。7.心に伝わる。

せいじか [政治家] 2.政治的な手腕があって,根回しや駆け引きの上手な人。また,策略をめぐらす人。

おどる [踊る][自]1.音楽に合わせ,身振り手振りを交えて体を動かす。2.操られて行動する。踊らされる。

おどる [躍る][自]1.勢いよく跳んだりはねたりする。また,躍動感・律動感を伴って激しく動く。2.喜びや期待で胸が高鳴る。どきどきする。わくわくする。3.文字や活字が躍動感を伴って書かれたり並べられたりする。また,字が乱れる。

およぐ [泳ぐ・游ぐ][自]1.人や動物が手足やひれを動かして,水面・水中を進む。2.(うまく)世の中を生きてゆく。3.人などを押し分けて進む。4.前のめりになってよろめく。5.こいのぼりなどが空中に浮かび漂う。

およがせる [泳がせる][他]1.泳ぐようにする。2.ひそかに監視しながら,人を自由に行動させる。3.空中を漂うように動かす。

ふれる [触れる][自]1.人(の体)が他の人や物に瞬間的に接触する。2.何かが他の人や物に瞬間的に接触する。3.《「脈が触れる」の形で》脈拍が指先に感じられる。
4.目・耳などに知覚される。「目[耳]に触れる」
5.ある事柄にかかわる。特に,ある事柄に言い及ぶ。
6.法律・規則などに反する。抵触する。7.ある物事や機会に出あう。8.ある物事にじかに接する。また,じかに接して影響を受ける。9.ある物事に接して感動する。10.相手の怒りなどを身に受ける。
[他]1.手・指などの体の部分を他の物に軽く接触させる。2.広く人々に知らせる。

ふれる [振れる][自]1.左右・前後・上下などにゆれ動く。2.一方にずれる。2.野球で,打撃の調子がよい。

ふれる [狂れる][自]《「気がふれる」の形で》精神が正常さを失う。気が狂う。

ふくする [服する]言われたことに従う。また,ある事柄を受け入れてその求めに従う。
1.言ったことばに従わせる。屈服させる。伏する。2.茶・薬などを飲む。服用する。

ふくする [伏する]1.かがむ。平伏する。また,平伏させる。2.負けて従う。また,負かして従わせる。屈伏させる。服する。3.ひそむ。かくれる。また,身をかくす。

ふくする [復する][自]もとの状態に戻る。[他]むくいる。仕返しをする。